名勝依水園をテーマにした「マチアルキ」コンテンツの制作

奈良県立磯城野高等学校 2年生,3年生
教科または分野
奈良TIME(郷土奈良の伝統,文化等に関する学習),課題研究,総合実習

活用したICT機器,環境など
2in1パソコン,画像・動画編集ソフト,クラウドストレージ
奈良県立磯城野高等学校 2年生,3年生
教科または分野
奈良TIME(郷土奈良の伝統,文化等に関する学習),課題研究,総合実習

活用したICT機器,環境など
2in1パソコン,画像・動画編集ソフト,クラウドストレージ
実践の概要

本校環境デザイン科では,奈良県の「郷土奈良の伝統,文化等に関する学習」である「奈良TIME」の発展形の一つのモデルとして,日頃の「造園の学習」と「郷土の学習」で身につけた「知識」や「技能」にスマートフォンアプリマチアルキを組み合わせて,奈良公園にある国の名勝にも指定されている日本庭園「名勝 依水園」を観光客に案内するコンテンツを制作した。

実践のねらいと目的

本校は,農業と家庭を学ぶ7学科12コースからなる専門高校である。「人と自然を環境の視点から学ぶ専門高校」としてスペシャリストを目指して学習している。

多くの観光名所が点在する奈良県で,地域に目を向け,日頃の学習を生かし,地域の抱えている課題に気づき解決すること,そして,「奈良TIME」のねらいでもある,郷土の伝統,文化等に対する興味・関心や理解を深め,国際社会の中で自立した社会人として生きる力を身につけることを目的としてコンテンツの制作に取り組んだ。

マチアルキ活用のメリット

看板やポスターは,どこにでも設置するわけにはいかない。しかし,マチアルキを活用すれば,自分たちが,調べてまとめた「地域の情報」を自分たちの身近にあるスマートフォンを通して,その場所で見せることができる。また,これまでのクラス内や校内での発表ではなく,インターネットを通して,世界に情報を発信することができる。多くの人に見てもらい読んでもらえることで,生徒はやりがいを感じるだけでなく,情報を発信することの責任についても学習することができる。

実践の内容
1. 企画

どの場所をAR化するか,また,どのような内容にするかについて,日頃の造園の学習と関係の深い場所,奈良の魅力が伝わるところ,多くの方々が興味を持ってくれるところなど,案を出し合いながら,制作の日程や使用機器も含めて協議した。

2. 取材および撮影

名勝依水園に事前に電話でアポイントメントを取り,庭園を維持管理されている方に,直接取材を行った。取材当日は,生徒の提案で写真やメモを取る係と,2in1パソコンをタブレットとして使用し,動画で記録する係に分かれて取材を進めた。

3. 編集

コンテンツの編集作業は,2in1パソコン,画像・動画編集ソフト,クラウドストレージを活用した。制作過程のコンテンツや取材した情報をクラウドで共有することで,グループ内でいつでも振り返って情報を確認することができ,効率よく編集作業を進めることができた。

4. 実働試験

この日初めて,「マチアルキ」でAR化したコンテンツを見た。端末を庭園にかざすと自分たちが制作したコンテンツが画面上に表示された。この時の生徒の喜びと達成感に満ち溢れた表情はとても印象的だった。

5. 公開

コンテンツの公開に先立って,地元テレビ局の情報番組に生放送で出演し,生徒自らが取り組みを紹介した。生放送に緊張しつつも,自分たちの取り組みについて堂々と紹介することができた。
 そして,平成28年2月に奈良県で開催されたe スクールステップアップキャンプ西日本大会に合わせてコンテンツを公開した。翌日には,奈良県内で開催された「奈良TIME 学習研究発表会」でも取り組みを発表した。

実践の成果や今後に向けて

この取り組みは,「奈良TIME」の学習だけでなく「総合実習」「課題研究」の取り組みにつながり,農業クラブの大会をはじめ,多くの場所で発表することができた。また,公開後もコンテンツのバージョンアップに向け,継続した取り組みを行なっている。

生徒達が,熱心に取り組む様子を見て,取材に協力してくださった名勝 依水園の方から,「庭園を守り続ける意義を改めて感じました」との言葉をいただいた。

プロジェクトに関わった生徒は,これらの体験を通して,自分たちの世界観や可能性が広がり,卒業後の進路にも大きく影響している。また,クラスメイトや後輩の意識にも影響を与えた。今後のさらなる活躍に期待している。