AR学級通信 ~発表会の様子を家の人に~

愛媛県松山市立北久米小学校 2年生
教科または分野
生活科

活用したICT機器,環境など
タブレット端末(教師用)
愛媛県松山市立北久米小学校 2年生
教科または分野
生活科

活用したICT機器,環境など
タブレット端末
実践の概要

生活科で,町探険の様子や発見したことを紹介し合う「町のすてきはっぴょう会」を行った。紙芝居,ペープサート,窓枠をテレビ画面に見立てたニュース番組,壁新聞など,発表方法は2年生という発達段階でも試行錯誤しやすいアナログ表現を中心とした。

発表会の様子を保護者に見てもらおうと,当日の様子を紹介する学級通信を作成した。発表している動画を,マチアルキのコンテンツとして登録し,マチアルキの画像認識機能で,学級通信の写真にスマホをかざすと発表している様子が視聴できるように設定し,学級通信を配布した。

実践のねらいと目的

本実践のねらいは,2つである。

1つ目は,子どもたちの頑張っている様子を保護者等に見てもらうことである。発表会は参観日ではない日に行ったが,これまで一生懸命準備や練習に取り組んできた発表を,保護者等にも,ぜひ見てもらいたいと考えた。

2つ目は,子どもたちが自分たちの発表の様子を客観的に見て,家族と一緒に振り返ることである。保護者と一緒に動画を見ることで,保護者に説明したり保護者から感想をもらったりしながら,自分たちの発表を振り返ることができると考えた。

マチアルキ活用のメリット

マチアルキを活用すれば,紙媒体の学級通信を配布するだけで,家庭にあるスマートフォンを使って動画を視聴することができる。また,制限(パスワード)付きで公開設定をすることができるので,子どもたちが発表している動画を掲載しても不特定多数に見られる心配がない。

紙媒体だけでは伝えられない姿を保護者に伝えることができること,子どもたちも視聴が可能で保護者と対話しながら客観的に自分たちの姿を振り返ることができることが,大きなメリットである。

実践の内容
1. 発表内容の計画

ホワイトボード上で思考ツールを使って話し合い,発表の方法や内容について計画を立てた。

2. 発表準備

グループごとに資料や道具を作成し,発表準備を進めた。

3. 発表練習

準備ができたグループから練習に取り組んだ。タブレット端末で自分たちの練習の様子を撮影し,客観的に見て話し合うことで,発表のブラッシュアップを行った。

4. 発表会

紙芝居,ペープサート,窓枠をテレビ画面に見立てたニュース番組,壁新聞など,思い思いの方法で,様々な発表を行った。教師が,発表の様子をタブレット端末で撮影した。

5. 公開準備

撮影した動画を教師が3分程度に編集し,画像認識機能で再生されるように設定した。実際に動作するか,学級通信の写真にスマートフォンをかざし,確認を行った。

6. 公開

学級通信として,紙媒体で保護者に配布した。冬休み直前に配布したので,保護者だけでなく,祖父母や親戚等に見てもらった家庭も多くあった。

実践の成果や今後に向けて

保護者から「頑張っている様子が見られて嬉しかった」「一緒に見て,親子で話すきっかけになった」「自分の発表の様子を見て,自信がついたり次への改善点に気付いたりしていた」「参観日に行く機会のない家族も学校の様子を見られてよかった」等という感想が届いた。

今回の活用方法は,子どもが発表している様子を教師がコンテンツ化したものであり,子どもの学年を問わず手軽に取り組むことができる。また,子どもたちの様子を保護者に生き生きと伝えることができる。さらに,子どもたちが保護者とともに,自分たちの頑張りや成長を振り返ることにもつながる。AR学級通信は,まさに,学校と家庭とをつなぐ新たな方法になり得るのではないかと考える。