大阪ミナミの街にある心斎橋筋商店街で扱っている「和の文化」について調べ学習を行い,学習成果をマチアルキで公開した。
総合的な学習の時間を活用し,国語科「和の文化を受けつぐ」の学習と教科横断的に取り組み,「店で扱う和の文化について」「和の文化を多くの人に親しんでもらうための工夫」などを中心に店に取材活動を行った。
公開したマチアルキを,多くの人に見てもらう方法についても考え,PR大作戦を実行した。
地域の特徴を知り,地域の人々が守り育ててきたものや思いを知ることで,自分たちが暮らす地域に対して愛着を持ち,児童ら自身が将来,地域社会の担い手となることを意識するきっかけとなることをねらいとした。
外国人観光客をはじめとする,多くの人で賑わう心斎橋筋商店街について調べ,その魅力をマチアルキを通して発信する学習活動が,児童らに地域づくりに対する当事者意識を育む機会になると考えた。
自分たちが作ったコンテンツが,スマートフォンのアプリを通して,実際に多くの人に使ってもらえるという実感が,児童らの学習意欲の向上につながった。
マチアルキはARを使った新しい情報発信ツールではあるが,万能ではない。表現できる情報量や内容には限りがある。限られた情報量や制約の中で,どうすれば,自分たちの伝えたいことが最大限伝わるのか,グループ内で活発な意見交流が生まれた。
地域の発展とともに変化する心斎橋筋商店街と,その中で大切に守られている「和の文化」についてインターネットなどで調べ学習を行った。
「和の文化」を扱う店に手紙を書き,取材依頼のアポイントメントを取った。事前に届けた質問状をもとに,インタビューと撮影を行った。
取材内容をもとに「何を」「どのように」伝えるのか話し合った。写真に吹き出しを入れることで自分たちの思いがより伝わるのではないか,という意見が出た。
コンテンツの公開に向け,多くの人に知ってもらうために手作りのチラシを作成した。家庭にも協力してもらい,外国人観光客に向けた他言語でのチラシも制作した。
取材した店にこれまでの活動を報告し,完成したコンテンツを見てもらった。
「週末に家族でマチアルキしたよ」「お店に行ってきたよ」児童らから聞かれる言葉である。今回,「和の文化」をテーマに地域学習を進めてきたが,自分たちが調べた町の魅力を発信する活動を通して,児童らの地域への愛着はさらに高まったのではないかと考える。
これまでも調べ学習で地域学習を行い,まとめる活動を行ってきたが,マチアルキを通して多くの人に発信することを学習目的とすることで,児童らに責任感と自覚が生まれたと感じている。